症例・お知らせ・コラム一覧 blog
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ブログ 2021/08/14
こんにちは。
ホワイト歯列矯正クリニック・たまプラーザ 院長の志賀です。
お子さんの舌小帯短縮症に関して悩まれている親御さんも多いのではないでしょうか。
特に発音と摂食嚥下の仕方について悩まれる方が多くいらっしゃいます。
過去には、母乳でお悩みの方もいらっしゃいましたが、舌小帯を切除することに関しては、日本小児科学会によると基本的には舌小帯切除を行う方針ではなくなったようです。それでは今回は舌小帯短縮症についてお話ししていきます。
舌小帯が短い(舌小帯短縮症)場合、何歳頃に切除すれば良い?
今から8年程前、小児科医・小児歯科医・言語の先生(言語聴覚士)が、舌小帯短縮症の外科的な手術は何歳頃に行う方針にすれば良いかについて話し合いました。
結論としては5才頃です。
なぜ5才?
言語の完成時期は5才、医療者の指示に従えようになるのも5才頃ということから、安全に効率よく効果が出るため、切除に適した年齢は5才頃となりました。
受診してすぐに切除してもらえるの?
まずは舌を動かす筋肉に正しい動きを覚えさせないと切除しても結局は元に戻ってしまいます。
そのため受診してすぐに切除するということはありません。
切除する時期は5才ですが、訓練期間に3か月~6か月ほど。
切除後のリハビリとして3か月から6か月ほど通院して頂き、舌を正しく使えるようにします。
切除しただけでは、舌の可動域が増加しただけで、使用している範囲は切除する前と変化しません。
切除前後の訓練はとても大切です。しっかり練習しましょう。どんな訓練があるのか、個人で変わってきますので、訓練先の医師・歯科医師・言語聴覚士の指示を仰ぎましょう。
歯並びへの影響は?
舌小帯の異常による歯並びへの影響は少ないのですが、全く影響がないわけではありません。
下顎の前歯に隙間が出来たり、噛み合わせが受け口になったりします。
その他には、舌小帯短縮による異常嚥下癖の可能性も出てきます。
このような場合は訓練してから切除することもあります。
言語に不安を感じる方は、まずかかりつけ医や市・区の保健所にご相談ください。
舌小帯の短縮の有無について、しっかりとした診断と訓練が重要になります。まだまだ、暑い夏は続きますので体調にはお気を付け下さい。
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ブログ 2021/08/11
ホワイト歯列矯正クリニック 院長の志賀です。
みなさんは一体いつ頃子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に生え変わったか覚えていますか?
どんな風に抜け落ちたかは記憶にある方は多いと思いますが、抜けた時期まで覚えている方は少ないのではないでしょうか。そこで今回は、いつ頃乳歯から永久歯に生え変わるのか、また小児歯科医はどこを注視しているのかをご説明していきたいと思います。
大人の歯の生え変わり時期と場所
個人差はありますが、平均的な時期は下図の通りです。おおよその生え変わり時期はおわかりいただけましたか?
では、小児歯科医はどこを注目しているのでしょうか。
それは企業秘密………ではなく、年齢と歯の状態を見ています。上図の生え変わり年齢はあくまでも平均ですので、これに2年ほど足した年齢まで様子を見ることが多いです。
でも、これはあくまでも目安。
レントゲン等の精査を行い、経過を診ていきます。
平均的な生え方をしなかったり、平均的な時期から2年経過しても永久歯が出てこなかったりした場合はより精度の高い検査を行います。
なぜ2年?
永久歯は歯の根(歯根)が出来る力を利用して出てきます。
永久歯の根が出来る力をロケットの燃料だと考えてみてください。
歯根が完成してしまったら燃料がなくなって永久歯は出てくることができなくなるのです。歯根の完成には3年かかります。
2年経過した段階であれば、歯根完成(ロケットの燃料が尽きる)までに、まだあと1年猶予があります。
残りの1年での対応次第で永久歯を出すことができるのです。その対応については、検査と診断力が必要となってきます。
歯が出てこない原因
考えられる原因は以下の通りです。
①歯牙腫
②過剰歯
③顎骨嚢胞
④虫歯の重症化により根っこの先に炎症がたまっていた
⑤歯が出てくる隙間がない
⑥もともと大人の歯に位置が変な位置にある
⑦子供の歯の時に強くぶつけた
⑧全身的疾患がある
それぞれの原因への対処方法
①・②・③
その原因を外科的に取り除きます。④
虫歯を治療し、その後はしっかり経過観察をします。
歯が出られなる可能性があるので、とにかく慎重に経過を診る必要があります。⑤・⑥
矯正治療の必要性がるので、精密検査および分析・診断をして今後の流れについて検討します。
自然に生えてくることが困難な場合、矯正力を使って引っ張り出さなければいけないこともあります。⑦
以前のコラムでもご説明しましたが、こどもの歯(乳歯)を強くぶつけた場合、永久歯が出てくることに影響を及ぼすことがあります。
これも⑤・⑥の場合と同様に矯正力によって引っ張り出さなければいけないこともあります。⑧
全身的な症候群がある場合は、矯正治療が保険でも対応できる時がありますので、かかりつけの歯科医師にご相談してみましょう。
いずれの場合のまずはかかりつけの歯科医院への定期的な検診が重要です。
まだまだ暑い日が続きますが、歯科医院への受診も忘れずに。